中小企業診断士を取得し、コンサルタントとしての活動を考えた際に、購読した本です。
とても勉強になったのでご紹介させていただきます。
コンサルタントを目指す方だけでなく、ビジネスマンとして仕事を効率的に進め、質を高めていきたい方におすすめです。
要約・感想
さすがBCGのノウハウ。コンサルタントを目指す方でなくても、ビジネスマンならだれにでも必要な仮説検証のノウハウが詰め込まれています。
トレーニング方法についても細かく記載されていますので、是非手に取って読んでみてください。
要約
あらゆる可能性を調べて原因を調べるのは非効率なので仮説思考が用いられる。
業界が成長産業か、成熟しているか、グローバルでの潮流がどうかはあらかじめインプットしておく。
現場を見て仮説を立てる。
間違ってもよいので、仮説を立ててから分析して立証する。
情報が多すぎると意思決定が遅れる為、必要な情報に絞る事が大事であり、意思決定の際には選択肢を狭める情報だけが役立つ。
⚫︎実験前に論文を書く
「空パック」でプレゼンのアウトラインをつくる。提案資料作成時はまず全体像を書いて仮説をもとに結論を書く。そして必要な情報を調査して確認するとスムーズ。
これを読んで、私も資料作成の際は、まずアウトラインから作るようにしております。アウトラインを作ることで、どのようなデータが必要かなどが分かった状態で、数字を抽出していくので、無駄な情報収集がなくなりました。
⚫︎インタビュー
インタビューメモは構造化して整理、自分の考えの相手の発言は明確に分ける、定量化する。
⚫︎仮説を立てる際のTIPS
①反対側(顧客・消費者の視点ら現場の視点、競合の視点)で考える。
②両極端に考える→値下げ検討時に値上げしたらどうなるかを考える
③既存の枠組みにとらわれずゼロペースで考える。
⚫︎仮説には良い仮説と悪い仮説
良い仮説とは掘り下げられていること。
一方で、悪い仮説の例は、例えば営業成績が上がらない理由と対策を考える際は、「営業効率が悪い」、「出来ない営業マンが多い」、「若手の教育が不十分」等である。
○○が出来ていない、と書き出すだけでは、仮説とは言えないという事ですね。
良い仮説に変えるには「デスクワークに忙殺され営業に行く暇がない」、「情報共有が不十分でノウハウがシェアされていない」、「上司がプレーイングマネージャーで、同行セールスが出来ていない」などと考える。
なぜ効率が悪いかなどを深掘りをし、アクションにつながる仮説でなければならないという事です。
⚫︎仮説のトレーニング
① 日常に起きていることをベースに仮説を立てる。
例:高齢化が進んだらどの様なビジネスが流行るか
② 新聞記事を見て何故そうなったか考える。
例:新聞に書いてある以上の情報は調べないで仮説を立ててから情報を集めて検証する。
③ テレビを見ながら気になったことに仮説を立てる。
例:「韓流ドラマが流行った理由」→so what?考えた原因から何が起こるか。日本のドラマへの影響など。(作り方がかわる、流行るタレントが変わるなど)
④信じていない仮説を立証する。
例:思いつく限り原因を挙げてみた後に、本来の自分の意見ならどの様に反論するか考える。
感想
冒頭にも記載の通り、ビジネスマンならだれにでも活かすことが出来るノウハウが盛り込まれております。
仮説の立案から、検証までの手法が掛かれており、これらの手順を追う事で仕事の質を高めることが出来ると思います。
効率的に仕事をしたい方、仕事の精度を高めたい方、成果を出したい方はぜひ一度読んでみてください。
目次
- 仮説思考とは何か
- まず、仮説ありき
- 仮説を使う
- 仮説を立てる
- 仮説を検証する
- 仮説思考力を高める
- まとめ
著者
内田和成氏
早稲田大学ビジネススクール教授。東京大学工学部卒。慶應義塾大学でMBA(経営学修士)を取得。日本航空を経て、1985年にボストンコンサルティング グループ(BCG)に入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。

【保有資格】中小企業診断士、簿記2級、応用情報技術者、プロジェクトマネージャ試験
企業で勤めながら、企業内診断士として中小企業支援中
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